2023年5月16日火曜日

シモネタの中に心に響く言葉、小池聰行社長絶賛の文筆家イノマー

■2019/12/21 オリコン元編集長でオナニーマシーンのイノマー、亡くなる
■2019/12/21 シモネタの中に心に響く言葉、小池聰行社長絶賛の文筆家イノマー
■2022/09/28 がん公表時のイノマー「笑わないとシャレになんない。ネタにしないと」

■2019/12/21 オリコン元編集長でオナニーマシーンのイノマー、亡くなる

 「イノマー」が人気キーワードになっていて、えっ?と思って検索。「亡くなったのでは?」と思って検索してみると、実際、そうでした。ただ、以前から口腔底がんだったというのは、全く知りませんでした。
 私にとってはイノマーさんは、オナニーマシーンというよりは、雑誌オリコンの編集長や副編集長というイメージ。社内ではあまり良い関係でなかったせいなのかなんなのか、そのオリコンは「元雑誌編集者」という他人行儀な紹介で訃報を報じていました。

<かねてより口腔底がんで闘病中だった性春パンクバンド・オナニーマシーンのリーダーで元雑誌編集者のイノマーさんが19日午前2時50分、都内の病院で死去した。53歳だった>

 ただ、後から<オリコンが発行していた週刊誌『オリコンウィークリー』の編集長に同社当時最年少の29歳で就任>などと紹介。私が呼んでいた頃は、オリコン ウィーク ザ・一番の名前でしたけどね。
 ガガガSP、氣志團、サンボマスター、峯田和伸(銀杏BOYZ/当時GOING STEADY)といった人気バンドマンらを数多く紹介し、亡くなる直前まで親交が続いたとしています。私は、ハイスタ、ロリータ18号などのイメージが強いですね。


■2019/12/21 シモネタの中に心に響く言葉、小池聰行社長絶賛の文筆家イノマー

 私は優等生キャラのように見られるタイプであり、イノマーさんとは正直合わないと思います。シモネタも苦手です。全然合いません。
 でも、イノマーさんの文章すっごい好きだったんですよ。バンドの好みも合っていたのですけど、それだけじゃなくて本当文章がいいなぁ…と。文章がうまいというタイプじゃないですし、シモネタ大量。でも、その中に人間の本質をよく理解した、心に響くことがまれに出てくるんです。オリコン内の理解者で擁護者であった小池聰行社長がイノマーさんに「物書きが向いている」と言っていたのもわかります。

 私は当時自分に自信がなくてなくて仕方なく、ダメ人間だと思っていました。すべてが賛成できるってことじゃないのですけど、そういうダメな私に響く強烈な言葉がたまにあって、励まされもしたんですよね。彼は特殊分泌家を名乗っていましたが、偉大な文筆家でした。
 オリコン ウィーク ザ・一番はまだいくつかとってありますし、去年も読み返していて、やっぱりおもしろいなと思っていました。良いものが残っていれば、イノマーさんの話も紹介したいと思います。

■2022/09/28 がん公表時のイノマー「笑わないとシャレになんない。ネタにしないと」

 間がすごく空いちゃいましたが、イノマーさんの記事をもう少しブックマークしていました。病気を公表したばかりのときの<“童貞のカリスマ”イノマー、口腔底がんを公表「今日から長い壮絶な闘いに」>(ORICON NEWS 
2018-07-21 21:00)という記事です。

<オナニーマシーンのボーカル兼ベースのイノマー(51)が21日、口腔底がんを自身のツイッターやブログなどで公表した>
<来年、結成20周年を迎える童貞のカリスマに衝撃の告知がなされたのは20日。そして翌日のきょう7月21日は、奇しくも“0721の日”。まさに運命としか言いようがないタイミングでの公表となった。
 「オイラ、癌<ガン>になっちゃいましたーーーーー! イェイ(中略)もう笑うしかないね。笑いに変えるしかない。とんでもないフリだ。イノマーくん、遂に癌でやんす。トホホ……」とまずはファンや関係者に報告>
https://www.oricon.co.jp/news/2116019/full/

 「やっぱり、“死”というものを受け入れられない自分というのがいた。まだまだ先の自分には関係のないモノだとばかり思っていたのに突きつけられた」としつつも、以下のように前向きな話を書いていました。

「これ笑わないとシャレになんない。ネタにしないと意味がない。暗く落ち込んでたって損なだけだ、って。せっかく癌になったんだから、使えるだけ使わせてもらうしか道はない」
「あんまりさー、痛々しいとか、悲壮感とかさー、そういうのとは遠いとこにいたいんだよな。オナニーマシーンだし、イノマーくんだし。だから、ライブハウスでオイラに会ったら癌をいじってほしい。なんかもう……そうでもないとやってらんないッス。グッスン。ビエーーーーーン」

 「これから、今日から長い壮絶な闘いになるんだ」とも書いていました。ただ、公表がこの日ですから、公表からわずか1年半くらいで亡くなったことになります。やっぱり明るく…というわけには行かず、私は読んでいてつらかったですね。