2023年5月18日木曜日

吉田茂首相の実兄である竹内明太郎が作った企業と言えば?

 吉田茂首相の実兄である竹内明太郎が作った企業は、次のうちどれでしょう?

(1)麻生
(2)コマツ
(3)クボタ


答え:(2)コマツ

 出題の元になった文章は以下。

" コマツ(小松製作所)は、ショベルカーやダンプカーなどを製造・販売する建設・重機械メーカーだ。(中略)創業者は、元内閣総理大臣である吉田茂の実兄、竹内明太郎氏。石川県小松市で産声を上げ、そのまま社名にしている"

建機のコマツはなぜ「和製アップル」なのか?規模で負けても事業で勝てばよい! 日本らしい戦い方|ダイヤモンド・オンライン 2014年7月16日 松本晋一
http://diamond.jp/articles/-/56136

 「(1)麻生」ってのは、麻生財閥の中心企業。吉田茂首相の孫なんで、その連想で。ただ、「(3)クボタ」が「(2)コマツ」と同業なので浮いていますね。
 まあ、名前のみのシンプルな企業名ということでは揃っています。(ただし、コマツは正式には小松製作所)

 上記の記事は、コマツを褒めまくるものなのですが、実は昨年終わり頃に株価がグッと下がった時期があり、クボタの方が最近は良い感じな気もしないではないです。
 ただ、まあ、今日はコマツの話なので、そこらへんは目をつぶって…。

 記事ではコマツをアップル(こちらも曲がり角に来ていると言われています)と似ているとしていました。ハードの企業ながら、収益源がソフトであるという理由です。

" コマツは、ダンプカーやショベルカーを製造販売しているが、利益の大半をそのメイン事業以外から叩き出している。そう、アップルがiPodではなくiTunesで稼ぐのと同様のモデルを、すでに構築しているのだ"

 ポイントは有名な「KOMTRAX」(コムトラックス)です。

" KOMTRAXとは、建設機械に搭載されたGPS(全地球測位システム)や各種センサーにより、建設機械の情報を1台1台遠隔で把握するシステムで、コマツが独自に開発したものだ。
 KOMTRAXが取得する情報は多岐に渡る。車両の位置情報、車両の稼働時間、作業内容、燃料の残量、エンジン負荷などだ。これらの情報はインターネットを通して、ユーザーや販売代理店に提供される"

 このKOMTRAXの逸話がおもしろいんですよね。たとえば、以下のような話があります。

" 中国でこんな話があった。
「〇△現場の機械は100時間エンジンをかけていたのに、仕事をした形跡は80時間しかありません。20時間エンジンを無駄にかけていた可能性があるので、運転手に指導されてはどうですか」 
 コマツの営業マンが、鉱山運営企業にこう助言した。
 鉱山運営企業が、ある日こっそり現場確認に訪れると、昼休みにエンジンを切らずに休憩していた中国人の姿を発見した。しかも、2つの工程をこなすために交互に車両を使いこなすのだが、別の車両を使っている間もエンジンを切っていないという事実までも発覚した"

" KOMTRAXは「盗難防止」に効果があるのだ。建機は高価なものなので、中国をはじめとする新興国では盗難の対象となることも多い。しかしKOMTRAXを搭載していると、GPSで盗まれた建機がどこにあるかを確認することができる上、遠隔操作で作動を止めることもできる。コマツの建機は盗難率が下がり、保険の金額設定が変わったらしい"

" 「この機械はそろそろ部品の交換が必要です」 と、コマツの営業マンが助言をした。
 すると施主は、「コマツさんはそう言って、部品を売り込みたいんやな。商売上手やな」と取り合わない。
 数週間後、建機は実際に故障してしまい、現場は2日間止まってしまった。施主は、「コマツさんの言うことを聞いとけば良かったわ。2日現場が止まるくらいなら、部品交換の方が安かったわ」と嘆いた"

 コマツは"コマツは単なるショベルカーなどのモノ売りではなく、自分たちの多種多様な課題を解決してくれる事業パートナー"となっています。ハード以外のところに魅力を感じているのです。

 ところで、先ほどのエピソードの内の最後の交換時期の話ですが、これはコマツで蓄積したデータより導き出した貴重な情報でした。これを客先にも公開したことがあったのですけど、意外にもたいへん不評でした。
 なぜか?と言うと、客先で使用時間や使い方の条件をいちいち記録して把握するのは、困難なためです。この点、KOMTRAXはコマツ側で管理できますので、問題ありません。KOMTRAXの良いところはいくらでも出てきますね。


 冒頭の「ハードの企業ながら、収益源がソフト」という話。アップルはソフトで稼いだお金をハードにふんだんに投入しているようです。これがソニーのような利幅の薄いハードで稼いだお金をハードに投入している企業との違いです。
 ある部品を開発するための担当は、ソニーは5人でした。しかし、アップルはこれに200名も投入しているといいます。これじゃ「勝てっこないです」とのこと。

 また、コマツは鉱山開発に関わる"ほぼ全ての機能をコマツグループ全体でカバーしている"そうです。
 「まさに、ゆりかごから墓場まで」とありましたが、ショベルカーの運転のための教習所や、ショベルカーを買うためのローン会社、古くなった車両を買い取る中古車販売などもあるそうです。
 ユニークな会社ですね。