2023年5月13日土曜日

米中貿易戦争をなぜか喜ぶ日本人、日本への影響は? 米中貿易摩擦で日本企業が損失

米中貿易戦争をなぜか喜ぶ日本人、日本への影響は? 米中貿易摩擦で日本企業が損失

 2020/09/26 米中貿易摩擦でのアメリカによる中国叩きに、なぜか右派を中心に喜んでいる日本人もいるのですが、日本にとっては悪い影響ばかりです。その中でもわかりやすかったのが、米中対立の「余波の余波」が... キリンHDが、低迷オーストラリア事業の売却に苦戦する背景(J-CASTニュース 2020年9月25日 6時0分)の例ですね。

 日本のキリンホールディングス(HD)は、オーストラリアで乳製品や飲料を扱う「ライオン飲料」の前身を約2940億円で買収。しかし、2020年4月には、ライオン飲料の影響として約571億円の特別損失計上を余儀なくされるなど、苦戦しています。そこで、非中核事業と位置づけ、売却してしまうことにしました。すでに、2019年11月、中国の「蒙牛乳業」に6億豪ドル(約460億円)で売却する契約を結んでいます。

 ところが、米中貿易戦争の影響がここで出てきました。もともとオーストラリアは親中とされていて、右派が盛んに叩いていた国。しかし、米トランプ政権が次世代高速通信規格「5G」から中国・華為技術(ファーウェイ)の排除に動き、豪州は2018年8月に米国に同調すると決め、ここから次々と豪中関係が悪化していきます。右派はこの流れに喜んだでしょうが、結果がキリンHDの売却断念。キリンHDは赤字事業を売却できず抱え続けることになった上に、次の売却先が決まってもより悪い条件になる可能性があります。日本にとって完全にマイナスです。

 なお、記事では、 今後も米中対立の激化により、今回のように米中以外の第三国で日本企業が損害を受ける可能性について指摘していました。このような損失の大きい貿易戦争を喜ぶ日本人がいるというのは、不思議です。