2023年5月15日月曜日

今後10年で起きるであろう未来の技術予測 テレポーテーションは?

 トムソン・ロイターは7月23日、「2025年の世界:10のイノベーション予測(The World in 2025: 10 Predictions of Innovation)」を発表しました。同レポートは、"今後10年に起きると予測している10個のブレークスルー"を発表しています。
 この「ブレークスルー」というのは、たとえば「認知症が減少」「太陽が最大のエネルギー資源に」「テレポーテーションの実験が現実化」といったものです。

 では、下記のうち、トムソン・ロイターのレポートの予測している10個ブレークスルーではないものはどれでしょう?

(1)食糧難や食料価格の変動は過去のものに
(2)石油ベースの代替として、セルロース由来の梱包材が主役に
(3)再生医療の発展で、がんの根絶が可能に


答え:(3)再生医療の発展で、がんの根絶が可能に

 正しくは、「がん治療の副作用激減」でした。

特許と論文データの分析から、今後10年の10のブレークスル―予測 2014/07/25(金) 13:46:16
http://news.braina.com/2014/0725/move_20140725_001____.html

 10個並べて書くとこんな感じです。

1.認知症が減少
  ヒトゲノムと遺伝子変異の研究の進展で、認知症やアルツハイマー病などの退化性神経疾患の早期発見や予防法が向上

2.太陽が最大のエネルギー資源に
  光触媒、太陽電池技術、化学結合の進歩で、太陽光エネルギーが一般的な技術として浸透

3.1型糖尿病が予防可能に
  RNA(リボ核酸)誘導性に関する研究の発展で、病因となる体内因子の特定と治療目的のヒトゲノム工学プラットフォームの作成が可能に

4.食糧難や食料価格の変動は過去のものに
  照明技術、画像技術、遺伝子組換えの発達で、屋内での作物栽培が普及、病原体を持つ動植物の検知が可能に

5.電力による航空輸送の開始
  新たな電池技術と軽量化された航空宇宙工学の組合せが、空中・陸上両方で電力による乗り物を実現

6.あらゆるものがデジタル化
  半導体、グラフェン-カーボンナノチューブキャパシタ、サービスアンテナのセルフリーネットワーク、5Gテクノロジーの改良により、個人の身の回り品から大陸まで、あらゆる場所ですべてのものがデジタル接続に

7.石油ベースの代替として、セルロース由来の梱包材が主役に
  ナノセルロース原料のバイオナノ複合材料で、100%分解可能なパッケージが一般的に流通

8.がん治療の副作用激減
  医薬品開発は、特定たんぱく質に結合させたり、適切な抗体を用いたりすることで、個別化医療がより進化。患者の負担となる副作用を大きく減らす医療が進展

9.出生時のDNAマッピングが一般的に
  被引用が1000件を超えた論文も最近登場など、ヒトゲノムの分析は、引続き最も注目を集める研究分野で、ナノテクノロジーの進歩と広く普及するビッグデータ応用技術の組合せで、細胞レベルの正確なスクリーニングによる診断のためのインビボ(生体内)測定が可能に

10.テレポーテーションの実験が現実化
  ヒッグス粒子プロジェクトの研究の恩恵で、スタートレックのチャーリーが行ったような転送が可能になるかもしれない。ヒッグス粒子関連の論文は爆発的に増え、2012年時点の引用数からも、顕著な影響力が分かる。また、ヒッグス粒子関連で、「光速で加速し、光速の2乗に達する物体」の特許出願が見られる


 「食糧難や食料価格の変動は過去のものに」はちょっと気になりました。「食糧難」は価格よりも政治的な問題が大きいですので、技術の発達では解決できないのではないか?と思います。

 あと、「テレポーテーションの実験が現実化」。要登録記事ですけど、「量子テレポーテーション」という発表ならつい最近あり、テレポーテーションの実現性についての記事が出ています。

物体の「瞬間移動」が可能に?:日経ビジネスオンライン 量子テレポーテーション新技術の真価 田中 深一郎 2014年7月24日(木)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20140723/269106/?n_cid=nbpnbo_top_updt&rt=nocnt

" 国立情報学研究所(東京)とロシア科学アカデミーは6月30日、「巨視的物体の新たなテレポート方法の開発に成功した」とする研究成果を発表した。
 SFに登場するテレポーテーションと言えば、ある場所に存在する人やモノを、瞬時に遠く離れた場所に移す「瞬間移動」のことだ。リリースを一目見て誰もが気になるのは、「どこでもドア」のような瞬間移動が果たして実現するのかどうか、だろう。(中略)
 今回の発表は、正しくは「量子テレポーテーション」の研究成果に関するものだ。"

 未来技術の予測は普通に外れることが多いんですけど、全く当たるものがないわけではありません。夢が広がりますね。