2023年4月29日土曜日

インドはモディ首相のヒンズー至上主義で発展する?将来日本以上の経済大国になるのは間違いないが…



インドはモディ首相のヒンズー至上主義で発展する?


2020/08/04 ヒンズー至上主義とIT技術でインドは超大国になるのか WEDGE Infinity(2020年8月2日)は、インドの大学生の兄弟に話を聞いた…という記事。ただ、差別的な主張を含めて、ふたりの話をそのまま垂れ流すもので、フォローもチェックもなしの良くない記事でした。変だな?と思って作者のところを見てみると、「定年バックパッカー」と書かれていました。ジャーナリスト的な素養も知識もないのかもしれません。
 二人は熱烈なモディ首相支持者でありモディ政権下でインドが飛躍的に経済発展すると熱心に主張。これは別に良いのですけど、人口の80%超がヒンズー教徒であり歴史的にもインドとはヒンズーだと言っていること。残りの2割の人を否定しているわけですね。
 彼らはかつてのインドの政治家がイスラム教徒に妥協してカシミール地方の自治を認めたことを批判。その上で、自治権を剥奪してカシミールをインドに併合するのは歴史的な正義であり、モディ首相は外国からの干渉を排して選挙公約を守った英雄と称賛していました。
 二人はインド(=ヒンズー)が歴史上他の国や民族を侵略したことはないと力説。ンズーは根本的に平和主義であると強調しています。ただし、前述のイスラム教徒に対してモディ政権などが迫害しているというのが事実。平和主義的であるというのは、嘘でしょう。
 とはいえ、こうした理解をしているインド人は少なくないと思われますし、モディ政権の猛烈な人気の一因ではあると思われます。今、世界中で排外的な政治家が人気になっています。


インドが将来日本以上の経済大国になるのは間違いないが…


2020/08/09 「インド人民党(BJP)が政権を取ってから外資導入を促進、2014年のモディ政権により本格的に経済改革に取り組み経済成長が加速した」ともされていました。ただ、モディ政権の経済政策は微妙なところがあります。
 まず、インドが将来、発展するのは間違いないです。ただし、これはモディ首相のおかげではなく、以前から言われていたことでした。
 理由は人口構成。日本が高度経済成長を記録し、中国が世界的大国になったのは、単純に人口が多いことに加えて、若い人が多かったためです(日本も世界的には人口が多い国であり、数の多さで稼いでいる国で、人口当たりで見ると必ずしも高いレベルとは言えません)。お年寄りが増えると停滞することもわかっていて、日本の成長が鈍くなったのはそのせいであり、理論通り。中国もピークはすでに脱したと考えられます。一方、インドは今若い国であり、日本や中国が伸びる前の状態。将来は日本を抜き、アメリカ・中国と肩を並べる時代が来るでしょう。
 ただし、これは将来の話。差別的なところはともかく、経済的にはモディ政権はやれると見ていたのですが、期待以下なんですよね。例えば、準備せずに紙幣の禁止をして経済を大混乱させていたり、GDPの改ざん疑惑が出たりしています。
 株価も思ったほど伸びておらず、 インドの証券取引所に上場している代表的な50銘柄の指数「CNX Nifty 指数」に連動したNEXT FUNDS インド株式指数・Nifty 50連動型上場投信は、2018年1月4日の164円から見ると、2020年1月6日は160円ということでむしろ下がっています。さらに、これは新型コロナウイルス問題の影響前の数字であり、現在はさらに140円付近まで下がっていますね。私の期待が高すぎるのかもしれませんけど、世界最高レベルとなると、当然もっともっと高いわけで、今はまだまだ…といった感じです。