2023年7月3日月曜日

安倍首相の秘書が広島県内を行脚して河井案里氏への投票依頼、自民党議員が断言

安倍首相の秘書が広島県内を行脚して河井案里氏への投票依頼、自民党議員が断言



2020/07/12 自民党の河井克行・前法相と妻の河井案里参院議員が公職選挙法違反の買収容疑で逮捕された事件。克行議員の逮捕容疑の現金配布先は94人いましたが、逮捕後は次々と否定していた現金の受け取りを告白する事態となっています。
 また、気になるのは、安倍首相の関わり度合いでしょう。安倍首相が関係していることは以前からかなり濃厚だったのですけど、より直接的な証言が出てきています。
 買収の舞台となった県議会議長である中本隆志・自民党県連副会長は、参院選で県連の意向に反して案里議員を支援した自民党本部を批判。河井夫妻側に党本部が1億5千万円を支出したことを問題視し、「中央と地方」の分断を招いたやり方に、「二度とこんなことはしてほしくない。なぜここまで身内に対してしたのか。憤り以上のものを感じる」と怒りを見せています。
 また、重要なのが、中本隆志・自民党県連副会長はさらに参院選公示前から安倍晋三首相の秘書が県内を回っていたという証言。党公認の現職を応援していた企業に対し、「『今回は案里さんを』と頼んだのは間違いない」と断言していました。広島県連は別の自民党議員を応援しており、『今回は案里さんを』という言い方からすると、その議員ではなく河井案里候補を支援するように働きかけたのだと思われます。
 首相秘書が独断で動くということは考えられず、安倍首相の指示があったと考えるのが常識的。こうした証言が敵ではなく、身内から出てくるというのが興味深いですね。
(「首相秘書が投票依頼」と断言 広島の県連副会長が怒り:朝日新聞デジタル 2020年6月30日 21時36分より)

河井克行前法相の指示で安倍首相の秘書が現金を渡したところを訪問、河井案里議員への投票依頼か?


2020/07/19  上記の軽い補足的なものとして、安倍首相の秘書と河井案里陣営は一体となって動いているとわかる話を。 現金提供先を首相秘書が訪問 案里容疑者支援で前法相差配か 2020年7月6日 16時38分 (共同通信) という記事にあった話です。
 まず、一体となっていることがわかるのは、複数の首相秘書が河井案里議員の陣営スタッフと一緒に地元議員を回っていまたということがひとつ。さらに、夫の河井克行前法相は案里議員の陣営が立ち上げたLINEのグループで首相秘書の回り先を細かく指示していた…ということでも、両者が一体となっていることがわかります。
 そして、これに買収事件が絡んできます。河井克行議員が広島県議のスタッフに現金を渡した後の2019年5月、安倍晋三首相の秘書がこの県議を訪ね、案里議員への支援を求めていたことも判明したというのが、このニュースのポイントでした。
 前述の通り、 河井克行前法相は安倍首相の秘書の訪問先を指示していた可能性が高いです。さらに、その訪問先が事前にお金を渡していたところ…となると、金銭による買収と安倍首相秘書訪問による投票依頼というセットで行っていた可能性が高いだろう…という話でした。

最初から安倍首相案件…安倍首相の敵議員を落選させるために河井案里氏を擁立して1億5000万円


2020/07/26 説明が面倒でしていなかったのですが、今回、収賄のような激しい選挙戦となったのは、野党との戦いではなく、自民党同士の戦いであったということが大きいです。自民党の立候補者がひとりであれば問題なかったのですけど、二人いたため、自民党票の取り合いになったんですね。さらに、もともと広島にいた自民党議員が安倍首相の敵であり、彼を落として安倍首相に近い河井案里さんが当選する必要があったというクソみたいな汚い事情が強く影響しました。なので、この事件は最初から安倍首相の問題だったんですよ。ここらへんの面倒くさい話を 安倍政権のお友達人事がもたらした不祥事、歪んだ一強体制  (NEWSポストセブン / 2020年7月12日 16時5分)という記事がうまいこと書いてくれていました。
 記事では、能力に関係なく自分の親しい政治家を重用する“お友達人事”を徹底し、自分に批判的な政治家を排除していくのが、安倍首相の特徴と指摘。今回の事件もこれがバッチリ当てはまります。
 安倍首相が落とそうとしていたのは、かつて安倍首相を「過去の人」と呼ぶなど批判的な発言を繰り返してきた溝手顕正議員。元自民党参院議員会長 という大物議員ですが、その会長職を奪ったのが、まず最初の仕返しみたいですね。そして、お次が問題となった落選作戦だったというわけ。以前書いた中本隆志・自民党県連副会長がなぜ身内にこのような仕打ちをと怒っていたのは、これを踏まえていました。
<2019年の参院選では広島選挙区から出馬した溝手氏に自民党から2人目の候補をぶつけた。その“刺客”に選ばれたのが案里氏だった。首相は案里氏の応援に自分の秘書4人を派遣したほか、自民党本部も河井夫妻に異例の1億5000万円を渡し、金権選挙が展開され、溝手氏は落選の憂き目にあう>

河井案里議員の後援会長、克行前法相は「安倍さんから」と30万円…と証言


2020/08/02 もうちょっと補足。河井克行前法相が地方議員らに金を渡す際、一部に「安倍さんから」として安倍晋三首相の名前を出していた…という証言についても紹介しておきます。
 この証言をしていたのは、なんと河井案里議員の後援会長を務めた人という超身内。広島県府中町の町議でもある繁政秀子議員がばらしていました。会員限定記事だったので詳しいところはわかりませんが、記事タイトルは、克行容疑者「安倍さんから」と30万円 広島・府中町議証言 | 中国新聞デジタル(2020/6/24)でしたので、金額は30万円だったみたいですね。
 なお、これよりかなり前の2020年1月15日には、後援会長「説明を」自民県連幹部「困ってる」 身隠す河井夫妻に批判強まる 広島 - 毎日新聞といった記事も出ていました。河井夫妻が信頼を失っていった様子もわかる感じです。